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朝。窓の外から、いつもの日常の喧騒が聞こえるころ、俺は布団の外へ這い出した。
もちろん、昨夜も一睡もしていない。
ただ、ヒトは目を閉じていても、寝たことにはなるらしい。それならば、俺は寝ているのかもしれない。
俺は、もやのかかったような意識のなかでそう思った。
居間のテーブルの上のは、俺一人分の朝食と弁当が置いてあった。
俺は、適当に朝食を済ませた。メニューは、ご飯とみそ汁だ。とてもベーシックな朝食。
親は、両方、先に仕事に出たらしい。俺は、その時はじめて時計を気にした。家のデジタル時計は8時を過ぎている。
(少し急がないとな。)
俺は、身支度をすませ、学校へと向かった。
――俺は、俺の住む平凡な街<弥代市>の高校、<高瀬高校>に通っている。
街の北西に位置する自宅から約10分、俺の住む高瀬高校は街の中心から、やや南西にずれた場所に位置する。
学校の敷地の周りをビルに囲まれおり、外側から見ると、そこだけ、建物が消えて無くなってしまったかのように不自然に映る。
高瀬高校は、普通の高校とはちょっと違う。他の高校と長期休暇(いわゆる夏休みなど)の時期がずれている。
あとは、全然関係の無いような学科が、同じ学校内にある。それは、単純に言えば、文系と理系が――
――例えるなら、1つのゲームのなかに、シューティングアクションにホラーやミステリー、謎解き要素を混ぜたような
――そんな感じの学校だ。ちなみに、さっきの例えは、よく映画になるゾンビゲームのことではないぞ。けっして。
まあ、とりあえずカオスな学校という認識でいいと思う。俺は、その学校の理系の学科に在籍している。
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