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少し間があって
「佐伯…お前の好きな奴って誰なんだ?」
「白石君に教える必要ないから…」
「…そうだよな…
じゃあ一つだけいいか?」
ローズが聞くとハルヒが顔を上げた。
「そいつのこと…本気で好きか?」
「…」
ハルヒは何も言わない。
ローズは黙って返事を待つ。
「…本気だよ」
ハルヒはそう言うとローズに背を向けた。
「こっち向けよ!」
つい強い口調で言ってしまったローズ。
「やだ…」
ハルヒの声が微かに聞こえる。
「何でだよ…?」
「だって…情けないけど…白石君のこと正面から見ちゃうと…また…好きになっちゃいそうだから…」
ハルヒは静かに言った。
「…佐伯」
そう言ったローズの声は震えていた。それに気付いたハルヒは
「何で白石君が泣くの?辛いのは私の方なんだよ!」
と、振り向いて怒鳴った。
「…ごめん、そうだよな…悪いのは俺なんだよな…」
ローズの声は更に震えた。
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