銀の森に憩う月

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《青の月》 Blueの月 静寂一片 揺蕩う薄暮 霧雨に揺れ 香る一束 宿り木を屋根に 暗き森の入口は 彷徨う魂 手招き誘う 銀の矢羽根 一閃の光 星座を目指し 音は無限に 世を象り 個と個を繋ぐ 深き宙の闇より 生まれ 或いは 辿り着き 其の内にも刻まれる史記 其の内にも眠る事象の祖 風は雲を運び 雨は地を潤し 命は死を喚ぶ 博識なる者も 永遠には触れられず 歌を 何も讃えずともいい 歌を 何を憂えずともいい 此の魂は風の様に自由 歌を 何も許せずともいい 風は全てを懐き流れ 雨は全てを潤し還る Blueの月 飾る静寂 炎の熱を借り 見渡す闇は 痕跡隠し 全てを受容す 水は流れ 血は流れ 軈て一つへと 還る 青い月の 灯す下 静寂一片 散らし歌う声
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