銀の森に憩う月

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《宇宙のSaga》 降る星 微かな軌跡の影に 幾億通りの歴史は眠る 空舞う蝶の青い羽から 零れた夜を掬う手で干し 宇宙の闇を孕んだ躰は 無重力を遊泳しながら 変革に奮闘する勇士にも 唯の一言を待つ乙女にも 為る 全ての謎を識る 声無き時空に また一つ 爆ぜる星が秘密を託せば 賢者の叡智に道は示され 新たな叙事詩が繙かれる 野辺に集う獣の眼にも宿る 太古よりの記憶を手繰りて 降る星 確かな軌跡の光に 幾億の思いが昇華を待ち侘び 何者にも為る無我の者は 眠れぬ意思を継ぐ儘 紡ぐ 壮大なる 宇宙(ソラ)のSagaを――
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