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《時の器》
尽きる空に序章の兆し
幾度揮いて力は失せる
名も無く消える降る石の下
ぼやけた城に 時は注ぐ
終えた端に時折昇る
七の光に煌めく光輪
低く渡る風と星の人
広々 世界に 時は注ぐ
再び立つ日の訪れに
全ての色を持つ花は咲く
集う光に 外れる光も在る事を
秘めた掌 真空に触れる
世界を世界と呼ぶ声に
人と形とを重ね合わせ
自己と他人の渡し舟
流す水にも 時は注ぐ
銀の指に眩い光輪
籠に満ちる糧と祈りに
一際高い空の向こう
無数の兆し 時は注ぐ
淡い夢の影に見える
古びた光に帰る羽
全てを秘めた掌 反し
注ぐ時に 静かに浸す
静かな星に 時は注ぐ
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