銀の森に憩う月

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《園の庭師》 光の集う虚空の遥か 形無き物の紡ぐ創生 人の呼ぶ声には答えず 慈悲を零す貴き手も無い 厳格な空の叫びは雷鳴 全てを濯ぐ嵐が来る 晴れて臨む 頭上の陽射し 造り手の眼を奪う 理想と共に歩み来た 緑の園の 何時もその上 迫真の花が 見事に咲き散る その色を生む光が降る 小さな足の歩む砂の道 土の道 石の道 確かな足の歩む岩の道 園の道 意志の道 人が 人へと 成る道程 光の集う虚空の彼方 象る次元の生む創世 誰の望みにも答える事無く 在るが儘に流れ行く 全てを濯ぐ嵐の後には 新たな生命が陽を浴びる
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