銀の森に憩う月

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《迷い兎の夢》 陽の沈む森 軽やかな足音が聴こえる刻 月が昇れば夜の闇も和らいで 精霊の羽が密やかに光る木陰 Lavenderの香りが促す眠りに 微睡む迷い兎の夢 深い記憶を揺さぶる夜風が誘う 根源たる畏怖と探求心 弾む手足もその儘に 描く旅路の先は曖昧 夜の魅せる愛しい影へ 放つ言霊に祈りを込めて 明日に降る雨を待つ様に 騒めく青い樹蓋に抱かれ 瞬く星が陰りを帯びたら 真実を映す鏡が映すのは 誰? 光る金の羽を追っているの? 風の気紛れを待っているの? 誰の幻影(カゲ)を借りて? 白い月の眠る森 Lavender色に染まる夜明け前 微睡む迷い兎の夢に 夜の隠す本当を視ているの
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