銀の森に憩う月

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《漆黒》 透る蒼空から 微か 贖罪の羽の声 漆黒(クロ)き影 下す審判 真昼の月の下 暴き 広過ぎた故 閉ざした 幻は何時も 儚き白昼夢 歌う原野 添うは風の音 遥かな記憶 夢現に揺れ 流れた時 流した命 銀の砂に 還る 朽ちた歴 玲瓏なる声音に 束の間 宿る 古の誓約 万象を纏いて 放ち 世の理に 牙を立て 清閑たる魂に 望むものも潰え 黒に染まる 天の嘆き 遣わされた刃にて 幾度目かの戒めより 解放の時を訃げる 透る蒼空 舞う砂に 名残の痕跡(アト) 秘めやかに 漆黒の影 歌う述懐 琴線に 雫を零し 穹へ 闇へ 定めの儘にと 罪無き道理に 風も啼く ただ流れる儘…
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