銀の森に憩う月

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《赤土の大地》 聖なる大地を駆ける 啓示に告げられた場所を探し 風に揺れるは鮮やかな紅 太古を匂わせる大輪の花 赤土に捕われた根が 何処迄も張り巡らされた乾きの森 切り立つ砂岩の山は陰を落とし 朽ちた墓標も大自然へと還る 星に殉ずる運命の矢を射て 時代と共に器を変え 遷ろいし者 我等 空と共に在り 世界を神と視るも 宇宙と取るも自由 我等 星と共に巡り 欠片と散るも 理に背くも 望むが儘に 魂よ咲き誇れ 聖なる大地の腕に手折られようとも 矢を射て流れる紅き血に 全てを賭けて 我と為す
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