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2007年2月。
「ゆか、バレンタインさ村上先生にチョコ渡すの?」
「何度かごちそうになってるし、お礼も兼ねて渡してみようかな」
「もう、10カ月進展なしだもん。告白してみたら?」
「うっ…そうだけど。村上先生人気あるし、私じゃ無理だよ」
バレンタイン当日。
一度、2人でドライブしていた時に、村上先生のマンションを教えてもらった記憶を頼りに行ってみた。
17時に到着しメールをする。
[こんにちは。渡したいものがあって、今、先生のマンションの近くに来てます。家にいますか?]
彼女がいたら、どうしよう。
怖くて聞けなかったけど、やっぱり聞いておくべきだったよね。
まずいかな。
しかも、いきなり来てストーカーみたいじゃない?!
意気消沈する。
着メロが鳴る。
[ゆか、村上先生んち着いたかな?頑張って!!]
遥からの励ましメール。遥、ありがとう。
勇気ださなきゃね。
再び、着メロが鳴る。
村上先生だった。
[どうしたの?今、家にいるので、駐車場に行きますね]
あぁ~神様!!
ストーカー扱いされなくて良かった。
村上先生が来た。
「突然すいません。今日、バレンタインなんで。ごちそうになったりしたお礼です」
早口でまくし立てるように一気に話し、紙袋を差し出した。
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