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「先生、患者さんの状態が悪化しています」
「昇圧剤開始して」
2006年4月。
新しい医師が派遣されてくる時期。
そういう時に限って、なぜか患者さんの急変が重なったりする。
あの日も、そうだった。
「遅くなってごめん。」と、皆がバタバタする中、さっと輪に入り指揮をとりはじめた医師がいた。
スラッと背が高く、そこそこ整っている顔立ち、焦げ茶色の髪、機敏な動きと的確な判断。
その人は、窓から射し込む光をも味方にするように輝いていた。
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