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「私、村上先生が当直の日にお弁当作って行って一緒に食べたりしてたんだ。
村上先生の家に行ったりもしたし。
まぁ、何も無かったけどね。
元の病院に戻ってからの忙しさも私はよく知っているから…」
一条先生は私の曖昧な返事など関係ない様子で、自分の5年間の頑張りと想いと、村上先生のことを2時間話し続けた。
辛いな…
私は、一条先生の話を聞きながら、
一条先生は村上先生の家に行ったんだ。
村上先生にとって、私はやっぱり、こっちにいる時の遊びだったのかな。
一条先生は村上先生のことを沢山知ってるけど…
私は、村上先生のこと…知らないことばかりだ。ぼんやりと考えていた。
「村上先生って、独身だし、医者だし、実家もお金持ちだから、いろんな女に狙われるんだよね。」
と一条先生が言う。
違う。
医者の肩書きが好きな訳じゃない。
村上先生から実家の話を聞いて、引いたくらいだ。
私は、村上先生自身が好きなんだ。
そう言いたかったが、一条先生の勢いに押され、言えなかった。
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