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「一条先生は同じ医者だし、実家も開業してるし。村上先生とつり合いますね…」
「そうだね。
なんか、ごめんねぇ」
「はぁ…」
そう言われて電話が終わった。
好きになっちゃいけない人なんて、いない。
そう思う。
だけど、つり合いって、あると思う。
病院での他の人達の恋愛を見てきて、やっぱり、そう思う。
村上先生もそう思うのかな。
村上先生にメールする。
『さっき、一条先生と話をしました。一条先生と付き合っているんですか?どういうことですか?』
なんか、もう、いいや。そんな気持ちだった。
村上先生からメールが届く。
『一条には、昔、告白されたけど断っています。ただの後輩です。
あなたには、また逢いたいと思う。
家に来たのは事実です。一条が、次に赴任するのにマンションを探している。自分が出た後に住もうと思うから間取りを見せてほしいと言われ、家にあげました。さっと間取りを見せて、すぐ帰しました。
一条にまた告白されたら断るつもりです』
村上先生。
正直な人だから、きっとそれは本当のことなんだと思う。
少し、救われた気持ちになった。
でも、村上先生。
私は村上先生の本当の気持ちが知りたいんです。
逢いたいと思ってくれるのは、抱きたいだけですか?
卑屈な考えで、がんじがらめになってしまう。
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