つり合い

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「そんなことって、あるんだね。 しかし、ごめんねぇってさー。 一条先生だって付き合ってないじゃんね!!」 遥が私の変わりに言いたい事をバシバシ言ってくれた。 「でもさ、つりあいってさ、あるよね…」 医者と付き合っていた先輩が、相手の両親から反対されて大変そうだったのを思い出す。 「わかんないけどさ…でも、本人同士の気持ちでしょ?」 「まぁさ、私は、つり合うとかつり合わないとか以前の問題なんだけどね」 なんだか、二人で笑うしかない。 「これからでしょっ」 前向きに、と遥は笑った。 こうして、毎回、遥に泣きつき励まされる。 遥と話すと前向きになれる。 いつもありがとう。 『あなたにはまた逢いたい』 そう言ってくれた通り、村上先生は忙しい合間をぬって月に1~2回程度逢っていた。
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