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悪魔に体を持っていかれるのは、もちろん悪い事態である。
「体を持っていかれるって、とりつかれるようなもの?」
ミアが俺の顔を見上げる。
「そんなもんだよ、たぶん」
とりあえずそう言ったが、そんな生ぬるいものじゃない。最悪だ。
俺は機内を見て回った。全くひどい有り様で、どこもかしこも潰れてる。
生きているやつはいない気がして、俺は手袋を外す。
自分の手は、人をむやみに生き返らせる。だから、常に黒の薄い手袋をしている。
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