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この職業は、皆が想像する天使というものとは、少しばかり違うのだとタクトは言う。
職業というと、なんだか堅苦しい気もするが、金と余計なお世話は有るらしい。
「ら、ラブホテっ!?」
恥ずかしすぎて最後まで言えない。そんな私を五月蝿いと一蹴すると、タクトは受付をあっさり済ませた。
ホテルのムードはやはり怪しくて、私はタクトの袖にしがみつく。
なんなのよ、なんの仕打ちなのよ!?
私は生まれてこのかた、1度も男性とお付き合いしたことがない、つまり、免疫の全くない無垢な少女である。
華やかな飾りつけの廊下を進むと、タクトが嘆息する。
「気にするな。上司の悪ふざけが過ぎただけだ。俺はお前に興味はない」
ザクッと気にしていたことを切り捨てられた。
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