終わりから始まりへ

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「でもあたし、ただの人間だよ?どこも変わったとこないし」  そう。体を見回しても、羽根さえないのだ。それで天使といえるだろうか。 「おまえの命を助けた代わりに、天使にさせた。いやでも天使になれ」 「なにそれ…」  いくらなんでも横暴じゃないか?  タクトと名乗った男は車を発進させると、意地の悪い笑みを浮かべて、 「今から魂の救済に向かう。俺とパートナーを組まされたこと、嫌でも後悔することになるぜ」  と、今からおこることを楽しむかのように口にした。  魂の救済。  それが、ミアの人間としての終わりと、天使としての始まりを感じさせる出来事になるのだった。
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