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天使って、楽じゃない。
「ぎゃあ~!!
お、降ろしてっ!降ろしてよ!」
「なんだよ、ここで降ろしてほしいのか?なんなら手を放してやるが。」
「いやー!!
いい、降ろさなくていいから、手を放さないでっ!!」
天使としての初仕事は、飛行機に乗っている乗客の命をすべて助けることだった。
飛行機事故が、後三分で起こると、一分前に知らされた。もうどこの飛行機だろうとか考えている場合ではない。今まさに、人生で初めてお目にかかる天使の翼とやらで、(タクトの翼だけど。)絶賛飛行中なのである。
「全員って何!あんた、いつもこんな仕事してるわけ!?」
「うるせぇ、耳元でキャンキャンわめくな小型犬!
もう死神は目の前まで来てんだよ。俺らが乗客全部助けねぇと7時のニュースで全国民に俺らのミスが公開されちまう」
「あんた、いつもこんなことやってんの!?っていうか、死神と争ってるわけ!?7時のニュースで報道されても誰もあんたのせいだとかわかんないからっ!」
かなりあべこべな会話だと思う。
しかし、突っ込まずにはいられない。
今から死神とであうかもしれないとかは置いといて、飛行機の乗客の運命がこの男となぜか私にかかっていると思うと、高所恐怖症だからこわいのか、他人の命がかかっているからこわいのかもはやわからない。
とにかくなんかが怖いのだ。
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