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「で、これからどうするの!?私
は何をすればいいのー!?」
かなり標高の高いところを飛んでいるため、声がお互い聞き取りにくい。
「何って、魔女からもらった薬でなんとかするんだよ!
…聞こえてるか!?」
「聞こえてるわよ!」
なんだ魔女の薬って。天使の力は使わないのか?ていうか、天使って力あるのか?
あたしは思い切って聞いてみる。
「ねえ、天使の力でちょちょいとなんかできないわけ!?
……聞こえてる!?」
「聞こえてるよ!いちいちわめくな!これはそんなに簡単じゃないんだよ!魔女の薬はいわゆる副作用止めみたいなもんだ!……聞こえてるか!?」
「聞こえてるわよ!!」
ああ、会話がややこしい。
なんだかんだで飛行機のそばまでたどり着く。タクトはかなりのスピードで飛行している。そして、飛行機に向かって、小さなビンを投げつけた。
ビンは飛行機に当たることはなく、薬のような緑色の液体が弧を描いて飛び散る。
やがてそれは虹になり、飛行機の周りをくるくると回りながら、液体は泡となり、うっすらとした光だけが輝いて見えた。
私は感動して言葉が出ない。
魔女の薬と聞いていたからには、もっと、イモリのしっぽとか、カエルの目玉とかが刷り込まれていて、怪しい色をしているものだと思ったのに。
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