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すでに小さく見えるほど、遠くの飛行機を見据えてタクトはつぶやく。
「そろそろだな」
その直後。
「うわ、なにあれ!」
私は思わず声を上げる。
先ほどまでまっすぐに飛んでいた飛行機が急にバランスを崩し、真っ逆さまに地上へと突き進んでいったのだ。
これを助けるなんてできるのか?
そんな急展開にあたしは慌ててタクトに尋ねる。
「どうすればいいのっ!?」
タクトは余裕の笑みを作る。
「決まってんだろ。飛行機に乗り込むんだよ」
「いつ!?」
「落ちた後」
一体彼が何者なのか、あたしには理解できそうもなかった。
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