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謎の美少女?
今日は十枝(とうえ)高等学校の入学式。
校長先生のあいさつが始まり、次に入学者の点呼が始まる。皆一様に自分の名前を呼ばれると返事をしながら起立し、校長先生に向かって一礼、着席をする。
ついに明の点呼が回ってくる。
「真柴明」
「はい」
明は事前に、先生に大きな声で返事をするようにと、ごく普通のアドバイスを受けたが、明は入学式に思いっきり大声を出すような人間とは出来れば関わりたくないので、声を抑え、校長先生に聞こえる程度の返事をした。
「桃井絢香」
「はい!!」
いた。明が友達になりたくない人間が。
だがその人間は残念ながら友達と同等の存在だ。いわゆる幼馴染だ。
といっても、小学校3年生で知り合ったので幼馴染とは言えないかもしれない。
明は腐れ縁だと思っているが。
「渡部悠斗」
「はい」
絢香から何人か飛ばして、数人目に呼ばれたその名に明はハッとする。
悠斗は明の親友だ。明を呼んだ教師が悠斗を呼んでいたのでクラスは一緒だ。素直に嬉しい。
入学式は無事に終わり、絢香と悠斗と電車に乗ったあと、それぞれの帰路につく。
明の家には両親はいない。亡くなったわけではない。2人は明が卒業して、少し経つと、どこかに出かけてしまった。
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