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両親が不在の間は食事は明が作っていた。
明には妹がいる。名前は真柴明衣(ましばめい)。
明衣は料理ができないことはないが、背が低く、キッチンに立つには相応しくない。
そんな明衣のためにも明は毎日食事を作っている。味は母には劣るが。
それでも明衣は毎日残さず食べてくれる。明の自慢の妹だ。
自宅に着き、玄関を開け、自室がある2階につながる階段を登っていく。
そこで妹の明衣が明衣の部屋に戻っていくのが見え、明は口を開く。
「お、明衣ただいま」
「あ、あにきおかえりー」
明衣は明のことを兄貴と呼ぶ。きっとテレビかなにかの影響だろう。
あいさつを交わし、明は自室の扉のドアノブに手をかけ、引く。
そこで明は凍りついた。明はドアノブに手をかけ引いた状態で硬直している。
「・・・・・・」
部屋には長く美しい黒髪を伸ばした見るも禍々しい奇妙な格好をした少女が明のことを待っていましたと言わんばかりに正座をしていた。
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