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まだ慣れていないと言うよりも触ることさえほぼ初めてのそれの
存在を確かめ足音を潜めながら歩みを進める。
まだ確証のない話。
しかも私の憶測のみの判断。
これで間違っていたら笑い話では済まされないのは確実だ。
でも屋上の現状を見る限りでは間違いではないと思う。
だいたい日本に同じ様な施設がそう幾つもあるとは思えない。
階下に降り、腰にセットしたホルスターから取り出したそれを顔の横に構える。
角を曲がる度に銃口を前に突き出してみるもそこには何もいない。
この階はガスコンロやシンクがあるからキッチンとして
使われてるのは間違いないだろう。
雰囲気は大分違うが似たような風景の写真があったことを思い出す。
ボロボロのキッチンを見渡せば鍋やフライパンなど調理器具が
山のように積んであるのが目に止まった。
もしかしてさっきの音はこれが崩れた音?
今考えて見れば人間が何をしたらあんな盛大な
音が出るんだろうと思うくらいの騒音だった。
ドアも窓も壁も原形わからないくらい
壊されているせいで通り風がビュウビュウ吹いているから
ちょっと強い風が吹けばなんらかの音がしてもおかしくない。
自己解決しながらその階をグルリと回りあまり細かく
詮索することなく更に階下に降りる。
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