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「特典?」
「ええ」
「必要か?」
「欲しければ、の話よ。無理に言わなくていいわ」
なんか急にアバウトだなー。特典なんか別にいいしー。
「いらないの?」
「ああ」
「別に特典という言葉に捉われなくても良いのよ。言い換えるならそうね、『願い』とか」
「願い、か……」
「向こうに行くに当たっての願いよ。スキルと違っていくつでも良いわ。でもまあ、最大でも三つぐらいに留めておいた方が良いかもね」
三つ……三つかー。俺の野望(大袈裟だが)を実現する為には三つじゃ足りないなー。まあ出来ればの話みたいだし、三つ以上言っても問題は無いか。
にしても願い、ねー……あ。
「向こうに行った時ってこのままからか? それとも赤ん坊からか?」
「──正解」
「へっ?」
「まずは向こうでの自分の年齢を気にすること。今までにもそれを気にせず行ったら赤ん坊からだった、とか多いのよね。言ってくれなかったら、こっちだって決めようが無いわよ」
あ、あぶねぇ…。危うく赤ん坊から始めるとこだった。精神年齢十六で赤ん坊はキツいからなー。しかも将来、今と同じ(実)年齢になったら精神年齢はオッサンだぜ?俺には耐えきれん。
「じ、じゃあ今の年齢から……」
「分かった。あとは?」
あと? あとは、うーん……。
「お金は?」
「それは向こうで説明する」
「一文無しとか止めろよ……?」
「当たり前でしょ。キャラをいきなり殺すようなマネはしないわ」
…ん?今なんか聞こえたような。ま、いっか。
「で、他に無いの? 無いなら締め切るわよ」
「いや応募ハガキじゃないんだから…」
いやー、でも困った。なるべく活用しないと、あとで後悔するからな。
どうしようどうしようどうしよう……そだ。
「パートナー付けてくれないか?」
「パートナー?」
「ああ」
やっぱ旅にはパートナーが必要だろ。一人じゃ寂しすぎるよ。
「だからパートナーもとい、サポーター。欲しい」
「別に良いけど。じゃあどういうのにするの?」
「えっ?」
「主人公? メイン? サブ? 使い魔? 何でも良いわよ。好きなのにしなさい」
どれもこれも良い。が、俺の好みには合わない。主人公でもメインでもサブでも俺はイヤだ。もっと普通か、普通からかけ離れた……そうだ。
「じゃあ、さぁ」
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