序章 傷だらけの日常

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ドンッ! 「うっ…」  腹に来た衝撃に耐えられず、俺はつい、腹を押さえてうずくまる。そこを突いたかのように、更に蹴りをかましてくる“ヤツラ”。 ドガッ、ダンッ、バシッ! 「いっ、ギッ、ぐァ、ッ!」  痛みを堪える。現状に耐える。もうすぐ終わる。あと、少しだ……。 ─────……… 「はぁ、はぁ、くッ! ッはぁ」  漸く終わった。あちこち傷だらけだ。  しかしこんなの『いつもどおり』だ。寧ろ今日は軽めだった気がする。  ……口答えしてるからかなー。今日は大人しく蹴られ続けたからだ、うん。  よし、そんじゃ、ま。 「帰るか」  未だ痛みの残る身体を、無理矢理起こして立ち上がる。  これが俺の日常だ。
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