一章 転生前の一息

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 ………ん? 此処は……? 「気が付いたようね」  凛と響いた声を聞いてガバッと起き上がる。  辺りを見渡すとそこは一面、白かった。そして目の前には玉座に足を組んで座っている、彼女の姿が。 「此処は天界よ」 「天界?」 「まあ神や天使が住む世界、とでも思ってくれれば良いわ。ちなみに正確に言うと此処は清らかな魂が集まる“霊魂の間”よ。良かったわね、清らかで。下手したら転生どころじゃ無かったかもよ?」  ……そんな危ない橋を渡るみたいなマネすんなよ。清らかか分からずに転生の話を持ち掛けたのか。てか清らかなんだ、俺。  ……ん?天界?天界って────  と思いかけた時、彼女が何かを書き込んでいるのに気が付いた。何だ? 「何やってんだ?」 「んー、アンケート」 「アンケート?」 「まあ、私のじゃないけどねー」  じゃあ誰のだよ、って突っ込んだら俺にペンを指して来た。って俺? 「何で俺のをお前が……」 「都合上よ。そういえば貴方の名前聞いてなかったわね」 「えっ「まあ知ってるから良いけど」……………」  被せるなよ。あと知ってるのかよ。何でだよ。てかお前の名前こそ聞いてねーよ。てか誰だよ。 「知ってるのは天界の者だから。ちなみに私の名前は八重瀬葎。八重瀬でも葎でも好きに呼んで。あ、あと私は神でこの天界の統率者。通称『絶対神』。以上」 「心読むな。あと早口で何言って……ん?」  今、何か聞こえたような? 聞き間違いで無ければ『神』って…… 「そうよ。私は神よ」  淡々と俺には目もくれず、用紙に何か書き込みながら話す彼女こと、八重瀬葎。 「神…神って、え? 神ってゴッドの神?」 「それ以外に何かある?」 「へ、あ、はははは……………」 ……………………………………… 「ええぇぇぇぇぇ!!!!」
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