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………ん? 此処は……?
「気が付いたようね」
凛と響いた声を聞いてガバッと起き上がる。
辺りを見渡すとそこは一面、白かった。そして目の前には玉座に足を組んで座っている、彼女の姿が。
「此処は天界よ」
「天界?」
「まあ神や天使が住む世界、とでも思ってくれれば良いわ。ちなみに正確に言うと此処は清らかな魂が集まる“霊魂の間”よ。良かったわね、清らかで。下手したら転生どころじゃ無かったかもよ?」
……そんな危ない橋を渡るみたいなマネすんなよ。清らかか分からずに転生の話を持ち掛けたのか。てか清らかなんだ、俺。
……ん?天界?天界って────
と思いかけた時、彼女が何かを書き込んでいるのに気が付いた。何だ?
「何やってんだ?」
「んー、アンケート」
「アンケート?」
「まあ、私のじゃないけどねー」
じゃあ誰のだよ、って突っ込んだら俺にペンを指して来た。って俺?
「何で俺のをお前が……」
「都合上よ。そういえば貴方の名前聞いてなかったわね」
「えっ「まあ知ってるから良いけど」……………」
被せるなよ。あと知ってるのかよ。何でだよ。てかお前の名前こそ聞いてねーよ。てか誰だよ。
「知ってるのは天界の者だから。ちなみに私の名前は八重瀬葎。八重瀬でも葎でも好きに呼んで。あ、あと私は神でこの天界の統率者。通称『絶対神』。以上」
「心読むな。あと早口で何言って……ん?」
今、何か聞こえたような? 聞き間違いで無ければ『神』って……
「そうよ。私は神よ」
淡々と俺には目もくれず、用紙に何か書き込みながら話す彼女こと、八重瀬葎。
「神…神って、え? 神ってゴッドの神?」
「それ以外に何かある?」
「へ、あ、はははは……………」
………………………………………
「ええぇぇぇぇぇ!!!!」
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