一章 転生前の一息

3/7
前へ
/12ページ
次へ
「この度は大変ご無礼な態度をとってしまい、大変失礼しました」 「戯れ言はいいから頭を上げて」  今現在の俺、絶賛土下座&謝罪中。  まさか相手が神とは知らずに、タメ口を使っていただなんて…… 「申し訳ありません、八重瀬様」 「頭を上げなさい。あと様はいらない」 「いや、しかし」 「しかしも何も無い。いらないったらいらない。あと別に敬語じゃなくていい。普通にタメで良いわよ」  なんと、慈悲深い方だ。まさに、神!  それじゃあ、失礼して── 「葎ちゃん」 「土に還すわよ?」 「すっっみませんでしたぁぁぁぁ!!」  再び、土下座&謝罪。ふざけたら怒られました。てへっ。  …いい加減自重しよう。 「あー、じゃあ八重瀬さんで」 「ん」  返事が一語です。投げやりだ。 「それじゃあアンケートやらせてもらうわよ。といっても少ないから、あんま時間は掛からないわ」 「ん、分かった」 「あとその前に、転生する場所は決まってるから」  え。 「ええぇ!? 何でだよ!?」 「何でもよ」  そんな!? それじゃ、あそこにしようか、こちらにしようかと悩んだ時間は無駄だったのか!?  ちくしょう! 俺の時間を返せ!「ちなみに行く世界は、魔法が使える魔法世界」 「早くアンケートを始めてくれ!」  魔法世界だと? 何故それを先に言わなかった!  これで決まりだな! 今日からの時代は──俺のだ!  ふと八重瀬さんを見ると呆れ顔をしていた。  どうしたんだ?疲れているのか? 「貴方は……まあ良いわ。それじゃあ、良い?」 「バッチコイ!」 「……………」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加