因縁

3/3
1079人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
「わかった…やる。いじめ止めてくれるなら」 「契約成立。早速、俺のランドセル持てよ。帰るぞ」 「え…、あ…うん?」 「何パニクってんだ。ほら、帰るぞ」 カチリ。 さっきと同じように音がして、ドアが開いた。 「あ…」 奴隷になると言った後で、未夜は後悔した。 これが、未夜が隼人の奴隷になった一部始終である。 この三ヶ月後隼人はフランスに発ち、未夜は奴隷から解放されたのだった。 「ふざっけんな、このドスケベ‼」 バキッ❗ 未夜は隼人の力が緩んだ隙に、グーで隼人の顔を殴った。 「いって…」 「今のパンチは宣戦布告よ❗あんたにいじめられてた頃の痛みはそんなんじゃないの‼あんたにいじめられたおかげで友達は離れていくし、学校行くのは辛いし。あんたの奴隷になったのは、奴隷になってまでもいじめから逃げ出したかったからよ。あたしをいじめてたあんたには分かんないでしょ?あたしが何で一時間半かけてまで柿坂に通ってるのか」 今まで溜めていたモノを未夜は一気に吐き出した。 「いじめられてた過去があるって言うのは重いわ。あんたのせいで小学、中学も散々だったの❗あたしは小・中の奴らと顔を合わせない為にわざわざ遠い柿坂を受験したのよ」
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!