あいつとの再会

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あいつとの再会

「未夜(みや)、お母さんとお父さん、明後日から半年間世界旅行に行ってくるわね🎵」 夏休みも残り一週間という時に、母親は未夜に言った。 「はっ⁉後一週間で新学期が始まるのよ?あたし、学校どーすんの❗」 「心配しなくても大丈夫よ。未夜は学校があるから行けないでしょ。ちゃんと香織(かおり)ちゃんに頼んどいたわ」 「香織ちゃんって…。桜田のおばさん⁉あの家族はフランスでしょ。帰って来てたの?」 「香織ちゃんとね、ちゃんと連絡取ってたのよ。五日前に帰って来たんですって。家も変わってなくて近くだから、半年間桜田家でお世話になりなさい」 これが三日前の事である。そして、加川(かがわ)未夜は必要最低限の荷物を持って桜田(さくらだ)家の前に立っていた。 ピンポーン🎵🎵 緊張しつつもチャイムを押す未夜。 「はーい。あら、未夜ちゃん⁉」 家の中から一人の女性が出てきた。 「…はい、お久しぶりです。お世話になります」 未夜がそう言うと、女性は未夜に抱きついた。 「綺麗になったわね❗懐かしいわ、7年も経つから当たり前かしら」 「おばさんもお元気そうで何よりです。ご迷惑をお掛けしますが、宜しくお願いします」 「そんなのいいのよ❗迷惑なんかじゃないわ、茜(あかね)ちゃん(未夜の母親)とは親友だもの。さ、中に入って。荷物置いてお茶にしましょ」
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