PROLOGUE

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 この授業が今日最後の授業だったため、そのまま家に帰れる。やっとくつろげる。あー、今日も疲れたー。  というわけにはいかない。  俺はこんなんでも、一応教師だ。  生徒に出した課題の確認やら、明日の授業のこととか、成績つけたりだとか、とにかく忙しい。  だから、生徒が帰路につくころも、まだ俺には仕事が残っているのだ。  俺は別に歩きを早めることはないが、急いで教職員室に向かった。  そのまま、自分の席に座り、「ふー」とため息をつき、仕事につこうとしたら、あるものが目に飛び込んできた。  それは俺の席の机の隅に置いてあり、黒地に赤い字で『親展』とかかれている封筒だ。  何が入っているのか気になり俺はそれを手に持つ。まあ、手紙か書類だろうけど。  軽く手で封筒を回したが、宛名とこの学校の住所は書いてあるが、差出人の名前等は一切書かれている形跡がない。  因みに黒地のため、白のペンで宛名が書かれている。  なんだか、もう潰れている左目が疼くような感覚がした。ワケが分からない。
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