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秋風が髪をなびかせる。
ふぅと、息を吐けば白い吐息が宙に投げ出され、それをまた、秋風がさらっていく。
季節は秋。
だんだんと寒くなるこの時期に、心躍らせる者が一人──
「ふふっ、今日はお給料の日だぁ♪」
緑色の髪と、紫の瞳の彼女は、足早に帰路に着いた。
「ただいま~」
玄関のドアを開けると、暖かな空気と、何かしらの良い香りが彼女を包む。
「あら、おかえり。今日はいつもより早いわねぇ。」
リビングに居た母親が、笑顔で彼女を迎えた。
「うん!だって、今日お給料日なんだもん!嬉しくってスキップしながら帰ってきちゃったよ~」
「ふふっ、あなたもお父さんに似てきましたね。」
「え~!?お父さんもスキップするの!?」
「ええ。学生の時にね、『今日は給料日だ~い!』とか言ってはしゃいでいたのよ?」
「へぇ~・・・って、今もそう言ってるよね?」
「あら?そうだったかしら?」
「そうだったよ~!」
そう言って、二人は笑いあう。
これが彼女たちの、日課であり、日常なのである。
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