1st 緑髪の君

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翌日。 「ふぁぁ・・・今日もよく寝たなぁ・・・」 今日は土曜日。天気は晴れ。時計は午前6時50分を指している。 「そういえば、今日はバイトだったよね、早めに行こうかな~」 寝間着を脱ぎ、動きやすい服装に着替えた彼女は、母親に呼ばれる前にリビングへと向かった。 「おはよう、お母さん。」 「はい。おはよう。」 忙しそうにしている母親とあいさつを交わしてから、顔を洗いに洗面台へと足を進める。 「ひゃ~っ。冷たい~っ。」 秋から冬になろうとしているので、水はいつもよりも冷たく、彼女の目を覚まさせるのにはぴったりだった。 「ふんふふ~ん♪」 髪を整えた彼女はダイニングへと向かう。 そこには、寝ぼけ眼の父親と、ニコニコしながら朝食を食べる母親の姿があった。 「お、おはよう。」 「おはよ、お父さん。」 この家では、家族そろって『いただきます』をするという習慣がある。 「さ、食べようか。」 『いただきます。』 皆でそう言った後、黙々と朝食を食べ始めた。 それから時間は過ぎ、午前9時30分。 「30分前だな。よし、店を開けて来る。」 父親が外へと出て行った。
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