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「ハァ…ハァ…一つ、聞いていいかい?」
男性のことばに耳を傾ける彼女。
「・・・なんでしょう?」
すると、息を整えた男性はゆっくりと口を開いた。
「名前を・・・教えてほしい。ここ、気に入ったからさ。」
「ここは『鍼灸院いちづ』ですよ?」
「いや、そうじゃなくて・・・君の名前をさ。」
彼女は驚いたように男性を見たが、すぐに笑顔になり、言葉を言うと同時に店に戻っていった。
「私は・・・」
「【もぐさ】ですっ!」
1st fin
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