新たな人生

5/8
前へ
/9ページ
次へ
 ヒルに噛まれて気絶でもしてしまったのだろうか?  女の子なら有り得ない話でもない。  それよりも家に帰りたい。  まぁ、扉に入った時点で無理なような気もしなくはないが、家に帰ることは諦めたくない。  まずは、この森をでて近くの街でここがどこかを確かめるしかない。 「アルトの街まで案内してくんない?」 「私も帰るとこですしいいですよ?」  先ほどまで倒れていたはずのアルトは、すくっと立ち上がる。  こいつ空腹で倒れてただけなんじゃないか??  どれくらい歩いただろうか、先ほどとは違い、水辺が近いからか地面がぬかるんでる。  それと、アルトが疲れたからかぴりぴりした空気を感じる。 「好隆さん、ここら辺はヒルの縄張りですから気をつけ……」  アルトが何かを言いかけてる途中で上から、ニメートルくらいの白いぶよぶよした物がふって来た。 「うぉ、なんだあれ……?」 「好隆さんはヒル見るのはじめてですか?」  アルトが言ったことがいまいちわからず、アルトに確認する。 「ヒル? あれが?」 「はい」  アルトに言われ、ヒルをよく観察してみる。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加