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「おいおい、安藤の方が一つ高いだけだろ?」
位が一つ高いぐらいなら何とでもなる筈だと土方は言う。
少年は笑わなかった。
どうやら、冗談ではないらしい。
『残念なことにそれだけじゃない。
臨偽は補佐者や霞千に与えられる最高位であり、最高位の枠はたった一つなんだよ。それに……』
「それに?」
『最高位は実力によって任命されている。
だからアッチじゃ安藤早太郎ちゃんが恐れられてたって訳』
何か言いたげな土方とは逆に少年は一通り言いたいことは言い切ったらしく、土方から視線を逸らし黙り込む。
「何故もっと早くに言ってくれなかった」
『……まぁこれ読んでみてよ』
一言読めと少年が突き出したのは、文。
恐らく何度も読み返したのだろう。
文はぐしゃぐしゃで所々破けている。
文にはこうあった。
八代目刀神、行方不明につき命じる。
八代目刀神を捜し報告せよ。
差出人は───。
「四神?」
『そ、青龍様が直接渡しに来た文。
四神様の言うことには逆らえないし、俺も安藤ちゃんも捜さなきゃいけないの。
まぁ安藤ちゃんなら命令されなくても捜すんだろうけど』
あぁまた嵐の予感。
そう言って少年は溜め息をつく。
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