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「だからあーげない」
少年は挑発気味に可愛らしい声で可愛いらしく舌を出した。
と、同時に胴まで振り下ろすフリ。そして勢い良く踏み込み一気に体勢を低くする。
斬った感触は、無い。
男の気配が一も数えない内に薄くなる。
「────ちっ、やるねえ」
空を切ったと理解した瞬時に刃を弧を描くよう周囲に滑らせた。
背後を取らせない最善の応急処置だった。
「嫌ですねえ、なんて物騒な方なんでしょう」
筈だった。
「なっ────、、、」
後方からの声に反射的に反応するが、もう遅い。
「少々、躾が必要ですね。お坊ちゃま?」
背後にはしたり顔で刃先を此方に向ける男。
少年が対処すべく此方を向いたところで思い切り腹を蹴り上げた。さらにその勢いで宙を一回転し、先程蹴り上げた腹まて一気に落下する。
少年の体は見えない糸に引っ張られているかのように宙に投げだされていた。
「んゔっ……!これだからお前は嫌いなんだよ」
攻守交代。
今の状況はその一言に最も相応しい。
このままでは無惨にも少年はコンクリート製の冷たく固い床へと叩き付けられ、呆気なく動けなくなってしまうだろう。
圧倒的な強さを見せつけられ、少年は悔しげに睨み付ける。
降参か、死か。あるいは────
選択肢は三つ。
嗚呼、僕ハマダ一番手ニ入レタカッタモノヲ手ニ入レテナイ。
答えは決まってる
全ては己の欲望を満たす為。
ならば、
「─────一生呪われていろよ、化け物共が」
全てを、終わらせよう。
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