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問題児の集まる高校
―春
そう季節は春だ
ぽかぽかと温かい日差しに眠気を感じるが少し肌寒い
桜の木が蕾を作りちらほら咲いている
その芽吹く前の桜の木を見ながら川沿いの一本道をゆっくりと風丸は歩いていた
やっぱり平和が一番
風丸は風にふかれ舞い散る花でピンク色に染められた道を歩いていく
ふと川の方に目を移すと数人の学生が見えた
自分とおなじ鳳陽高校の制服を着ていることから同学年、又は自分の先輩に当たる人なのだろう
学校の門限の時間を考えると少し急いだ方がいいのだがなんだか嫌な予感がしてくる
そしてその予感は的中する
「痛い!!痛いよ!!」
「うるせえな!!お前はゴミクズなんだよ」
「ゴミクズですみません!!」
集団は一人の気弱そうな鳳陽高校のうずくまっている生徒を三人の軽いチンピラが囲んでいたのだ
圧倒的多数で追い詰めて得意気ににやついているチンピラ崩れ達
人数だけ誇って草食動物めいた生徒を弄んでいるのだろう。
あれ、どうみたっていじめだよな…
こんなのほっておけばいいのだが風丸はこう言う雰囲気があまり好きでは無かった。
とりあえずなんとかしてみよう。
風丸は襲っている相手の一人にちかよって肩に手を置いた。
「なぁ」
「あ゛ぁ?」
風丸が声をかけた相手が振り返った瞬間、風丸は相手のふぬけた面に固く握った拳を叩きつけた。
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