雨天のカーチェイス

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バイクに乗る理由? んなもんカッコイいからに決まってんじゃん。 だが、1人で走るより大勢で走った方が楽しいに決まってる。 だから俺…『鞍馬 朱鷺矢(クラマ トキヤ)(17歳)』はチームを作った。 もちろん、暴走族なんかではない。 ちゃんと交通ルールを守り、迷惑をかけないようにしている。 簡単に言えば『ツーリンガー(ツーリングする人の事を俺達はそう呼んでいる)』だ。 そう言えば作った当時…いや今も紅一点の存在である女子がこう言ってたな…… 「暴走族とツーリンガーは紙一重」 だって…… どうやら彼女は親の反対を押し切って俺達のチームに入ったそうだ。 俺達も流石に親の反対を押し切ってまで入れって言ってるわけじゃないのだが 彼女はどうしても入りたいと聞かなかった。 理由を聞くと理由は2つあったらしい。 1つ目の理由は『ただ走ることが好きだから』 で 問題は2つ目だ。 この時は流石に冷静じゃいられなかった。 なんせ、いきなり告白されたのだから。 これでおわかりだろうか? 彼女が入った2つ目の理由が『走ること以上に俺の事が大好きだから』 だそうだ。 もちろん、その時は答えを先延ばしにした。 彼女はどうかは知らないが、少なくとも俺はあんまり彼女の事を知らないのだ。 だが、日を月を重ねる度に俺は徐々に彼女へ惹かれていった。 綺麗な黒髪をなびかせ、楽しそうに笑いながら走る彼女 気が付くと俺は、いつも彼女の横を走っていた。 そして、俺が自分の気持ちに気づいた時、俺は彼女に告白した。 それが今の彼女…『佐々岡 美晴』との原点だ。
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