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出会い
泣くのって嫌い
私はいつからそんな事思ってるのだろう
あっそうだ、あの時
誰も助けてくれなかったから
『女の武器は涙』なんて聞いた事がある。
そんな事は全くもってない
けど、16歳で両親をなくし
私は裏で泣いていた。
心が暗くなっていくのがわかった
けどやっぱり冷静になってる自分が居た。
思考を巡らしたせいで注意力がなくなっていたのか、
人が来たのを感じなかった。
「泣いてんの?」
「泣いてない」
嘘。泣いてる。
でも、強がってる。
「泣けよ」
はぁ?泣けって言われて
泣く奴いるか?
不審に思った瞬間
「んなっ///」
男が突然抱き着いてきた。
当然私は男となんて抱き合った事なんてなかったから動揺した。
「はっ離せ!!///」
「ぅん・・・ごめん。やっぱ」
何こいつ。ごめんって何?
「やっぱ、辛いだろ?」
私は目を見開いた。
頭を撫でられたせいで
涙が自然と流れた。
「ぅ・・・やめれ・・・ぐすっ」
「無理」
無理・・・ですか。
でも・・・
「安心する」
ついポロッと本音が出た。
「そっか」
この人が馬鹿にしないからだ
まるで、泣くことが
当たり前とでも言ってるかのように
だから、泣けるんだ
「ふっえぇ、お母さんお父さん うわぁぁぁぁん」
「泣けんじゃん」
強がってるのはバレてた
本当は悲しいって事
バレてたんだ。
そう思いながらずっと泣いていた。
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