出会い

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両親を失って数日思ったより立ち直りが早かった それも あの人のおかげかな いつも通り学校に行くと 「はよ。夢凪」 この人だ 「おはよ。尚」 たまたま同じクラスだった 尚は友達が多い。 女子も男も 勿論、恋愛で近づいてる人もいる そういう人にムッとする 「夢凪ってさぁ」 尚だけは『ゆな』って呼び捨てだ 「ん?」 「夢世界って知ってる?」 夢世界?なんじゃそりゃ 「夢の世界って事?」 「んーまぁ夢の中のね」 ふーん。そんなのがあるのか 「知りたい?」 ちょっと大人っぽい顔が 真剣に私をみる 「知りたいよ」 そういうといつもの笑顔になり 「そっか、じゃあ今日空いてる?」 今じゃだめな話しか、 「うん、空いてる」 「じゃあ今日夢凪ん家行くから」 「ん」 気になる。 初めてこんなにも放課後が 待ち遠しいと思った 帰りの会終了の合図がなり 私が帰る支度を済ますと 待っていたかのように尚が 「帰ろうぜ、夢凪ぁ」 と笑いかけてくる 「うんっ」 とつられて笑ってしまう そして私の家まで一緒に行く ここまではいつもと一緒 でも今日は違う。 家に上がるんだ 「お邪魔します」 礼儀正しく挨拶。 でも、今は誰も居ない 「あれ?叔父さん居ないの?」 親が居なくなってから 私は叔父さんと住んでいる。 「散歩かな?ごめんね」 「ん?良いよ。叔父さんだってやりたい事あるもんな」 そうやって人のやる事を認めてる尚はすごい 私もいつかそうなれるかな なりたいな 「どうした?」 「ん?何もないし」 部屋とか片ずけとけば良かったと思う 「あぁ、俺ある程度散らかってる方が良いし、」 え?見透かされてる。 「気にする程じゃないじゃん」 わっ尚ってなんでもわかってすごい!! 「そっか・・・」 あれ・・・? 「ねぇ尚?話すのってやっぱ聞かれたくないでしょ? 叔父さんいつ帰ってくるか わかんないし、どうする?私の部屋にする?」 別に変な意味ないけど 尚が目を見開く 「お前って大胆だな」 (・・・やっぱりそうなるか) 私は思わず呆れた しかし、平静を装い 「別に深い意味はないよ」 お?顔が赤くなったぞ? 「え。尚ってあっちの事考えてたの?」 「やっちげーよ!」 ふふっ図星だ 「ムッ?」 尚が私のほっぺをつねってくる 「お前わざと聞いたろ」 「当たり前じゃん」 「・・・」 「・・・」 「・・・はぁ。じゃあ早く話そうな」 「うん」
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