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「このままじゃラチがあかねぇ。アリサとコウタはここに残れ! カンナ、俺について来い。侵入場所を潰すぞ!」
カンナはイチイについて走り出した。
外部居住区の周りのアラガミ装甲壁。
アラガミが突破したのならどこかが破られているはずなのだ。
その場所はF14地区にほど近い場所だった。そびえ立つ壁が一カ所砕けて穴が開いていた。
「カンナ、援護射撃頼む!」
「無理ですよう。私にそんなこと……」
「いいからとにかく撃て!」
イチイは今まさに侵入しようとしているザイゴートに斬りかかりながら叫ぶ。
その時背後から低い唸り声が聞こえた。
イチイが目をやると巨大な猿のようなアラガミがカンナ目掛けて突進していた。
「コンゴウ!」
イチイは神機を銃形態にシフトし引き金を引いた。
バレットは命中したものの猛り狂ったコンゴウには焼け石に水だった。
「逃げろカンナ! 」
カンナは恐怖のためか地面にへたり込んでしまっていた。
もはやこれまでか、とイチイが思ったその時
「ガァァッ!」
コンゴウが悲鳴を上げた。
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