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背中を斬られたコンゴウはどうと地面に倒れ動かなくなった。
スーツ姿の少年はため息をつき辺りを見渡す。
アラガミは粗方片づいたようでそこかしこに分解を始めているオウガテイルとザイゴートの死骸が転がっていた。
「で、すごく今更なんだが…………あんた誰だ?」
突然の闖入者にイチイが当然というべき質問をする。
少年は鋭い目つきでイチイを見た。
年齢はイチイとそれほど変わらないはずだが彼の目にはとても十代と思えないような剣呑な光が灯っていた。
「柊堂(とどう)カヤリ。本日付けで極東支部配属になった」
カヤリはそう言うとスーツの胸ポケットから煙草の箱を取り出しトントンと指で叩いた。
「本日付け…………ってことはあんたが例の新型なのか?」
「他にどう見える」
火のついた煙草をくわえ紫煙を吐き出すカヤリ。
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