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ピザのマダオさんはすっと息を吸い込み、大きな声で叫んだ。
「皆々様、大変お待たせしました!今回最後の目玉商品!“死神とのハーフの忌み子”の登場です!!!いくら傷をつけても死なない、 漆黒の艶やかな髪!瞳!
観賞用のペットにするもよし!拷問用のペットにするもよし! さあ!5百万Gからスタートです!!」
「六百!」
「七百!!」
「な、七百五十!」
「千!!」
うええええ、客ピザばっか!数人貴族みたいな女居るけど顔きもっ!
なんかどんどん値段上がってくし…、
「い"っ!!」
バシッと鞭で叩かれたっぽい…、
あーあーあー、背中いてえ…、涙出てきた…、
「ほるぁ~お客さんに顔見せろ~?」
にやにやと気持ち悪いピザのマダオさん。
ぐいっと顎を持ち上げられ、客たちと目が合う。
こんな無様な姿、見られて喜ぶのはドMだけだっつうの…、
「…っ!5千!!」
突然一番後ろに居た男性が叫ぶ。
逆光だから顔は見えないが細身の、声からして青年だろう。
「おおおっと!最高値!他のお客様はどうですかぁ?」
「ふぐっ!」
またバシッて…、あー、みみず腫になる。つかなってる。
「…っ、他にいるのなら俺がまたそれに金を乗せていく。そいつは俺のだ。」
「…。」
低音で脅しをかけるように言い放つと、ざわめいていた客も、ピザのマダオもおっさんもしーんとなった。
「…ではでは、決定と言うことで…、目玉商品!五千万Gで決定です!」
「それではぁこちらに魔力をお入れくだせぇ~」
おっさんが青年さんに瓶を差し出す。
青年さんは瓶に手をかざす。
するとぬるって、ぼとってスライムみたいなのが瓶に落ちた!
なんだあれすげえ!!
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