阿砂呉村
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日が沈みかけてきた。 オレンジ色の光沢が母親の寝室を覆っている。 遙は目を見張った。 自分にそっくりな女が目の前にいる。 母親の若かりし頃はこんな感じだったんだろうかとも思えた。 (信じられない…)あまりの恐怖に、遙の足は竦んだ。 「マ、ママなの…?」 女は返事をせず、じっと遙を見つめたままでいた。 「助けてほしい」 女は、抑揚のない棒読み口調でそう言った。
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