Three Nature2 禁断のエリクシア

7/14
前へ
/15ページ
次へ
感じるのは、熱の温かさ。 頬を伝う涙の雨。 遠くへ逃げようと走る自分。 追い掛けてくる者は居なかったが、それでも己の恐怖心を煽るには十分だった。 「っ…はは…さまっ…とと…さま…」 父は死に、母が消え。 追われる身となった自分に戦うすべなどない。 (どこか…かくれるところ…) 幼き自分には、隠れるという選択肢しかなかった。 同時に、 「…もっと…」 もっと、強く。 強くなりたい。誰かを、守れるくらい、死なせないくらい、強く。 強さを求めるようになった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加