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開始三分で何故か高崎が「うっ」と呻き声をあげるようになり、五分でイライラしたように長い髪を掻きむしり、十分たった頃には机に突っ伏してピクリともしなくなってしまった。
「た、高崎先輩がやられてしまいました……」
「……おい待て、予想以上にヤバくないか?」
あの高崎が、美少女なら何をしても許す高崎がやられた……だと……!?
白木と藤井も動揺を隠せていない。
「高崎さん、ここの問題はどうすれば……ってなんだ寝てしまいましたの。これじゃあ勉強ができませんわ……次の方お願いします」
「……つ、次は望月がいけよ」
「い、いやここはあえて藤井がいくのはどうだ?」
「な、なにいってるんですか。一年生に二年生の問題は無理ですよ」
顔は笑っているが俺たち三人は察していた。水野に勉強を教えると高崎のようになってしまうということを。
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