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二畳半の狭い部屋の半分以上スペースを奪っている簡易ベッドから起き上がり
窓から差し込む日の光に目を細める
首筋を伝ってくる汗をおもむろに拭う
「……暑い」
うだるような暑さに苛立つ
コンコンッ
『斎(いつき)さん
朝食の時間です』
「チッ、わかった。今行く」
ベッドから下りて服を着る
例え
敬語で恭しく世話をされたところで
つかえているわけじゃない…
俺、
谷川 斎は
飼われているだけなのだ
この「青楽園」に
数多くいる孤児の内の1人として…
いや、違うか
他のやつらと俺は違う。
青楽園は孤児院ではありながら学校として運営している
教室も授業もある
先生もいる
ただ違うのは
生徒が全て孤児だということ
そして男女が会うことは
決してない
6歳~18歳まで生徒はいて
ひとつの城みたいなとこで
生活・授業をうけている
まぁ、ひとつだけいっておくと
孤児故の寂しさのせいか
ここは
男同士、女同士のそれが
非常に多い
施設側も公認ってんだから
自分の身は自分で守らねぇとな
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