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「桜…もしかして…」
「はい。気づいてましたよ。前から。こういう時、男の子は不便ですよね。すぐわかっちゃいます。まぁ…僕の昔からの経験っていうのもあるんですけど。」
些細な言動も拾わないと、ひどい目にあいましたから。と笑う桜。
「…なんで、俺を誘うなんて事をしたんだ?」
桜の目を見ながら、真剣に問う。
「だって、椿輝君はずっと僕のことばかり考えてくれていたんですよ?どんな時も僕を優先で、自分のことは我慢してたんでしょう?」
確信したような目。…俺の事をよく見てくれているのだろうか?
「…わからない。昔から、自分のことはあまり考えた事がないからな。ほぼ感覚で動いている。」
そう言うと、桜は怒ったようにムッとした。
「…それでも、椿輝君はいつも僕を優先してくれていました!だから、今度は僕が椿輝君が喜ぶ事をしたかったんです!」
「…それがさっきのにつながったのか…」
「はい…でも…」
「でも?」
一回ひいた、桜の顔の赤みがさっと戻ってきた。
「…すごく、気持ちよくて…言えと言われていた事、全部忘れちゃったんです…」
「は?」
「だから、あれは…」
「桜の本当の気持ちって事か?」
「…はい…」
…ヤバい。ものすごく嬉しい。桜が、俺に対して"もっと"とか本心から言ってくれていたんだから。
「桜、嬉しいよ。ありがとう。」
「…あの…」
お礼を言うと、桜が先ほどよりも赤い顔で"おねだり"をした。
「僕を、本当の意味で椿輝君のものにしてください。」
「…途中で止められないと思うぞ?」
「はい。」
「痛いかもしれない。」
「慣れてます。」
「明日は学校だ。」
「椿輝君が優しくやってくれるなら大丈夫です。」
「もし…」
「大丈夫です。椿輝君。僕は、椿輝君が好きです。この半年で、椿輝君は、僕のかけがえのない存在になりました。だから、大丈夫です。」
桜が、俺の聞きたい事を言ってくれた。
"抱き合う事で心を交わせるほど慕ってくれているのか。"
桜は、本当に俺の事を分かっているな…既に桜は俺の心を覗いているらしい。
「…わかった。俺も初めてだから、下手かもしれないが許してくれ。」
「ふふ…大丈夫ですよ。椿輝君が優しくしてくれますから。」
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