3791人が本棚に入れています
本棚に追加
桜が腕をしっかり回したのを確認すると、俺はゆっくりと桜の中を開いていった。
「あ…くっ…」
「…っきつ…息を詰めるな…吸って…吐いて…」
予想以上に中はキツかった。痛くはなさそうだが、圧迫感に息が止まっているようだ。一旦動きを止め、桜の背中を撫でた。
「は…ぁ…ふ…」
まだ浅いが、息をすることができたようで中も強張りがとれた。今のうちにと思い、根元まで一気に仕舞う。
「っああぁ!」
「…っ…桜、すまん。これで全部入ったから…」
はっきり言ってそのまま動かしそうになる。しかし、このまま動けば桜は呼吸困難になりそうだ。仰け反った背を優しく撫で、抱きしめる。
「…慣れるまで、このままにするから。安心しろ。死ぬことはないから。」
「あぅ…は、ぁ…つばきくんがなかにぃ、ぅ…あつくて…おっき…」
「ッバカ…!」
煽るようなことを言うんじゃない!危うく思い切り動きそうになって、大きく息を吐く。
「はっ…」
マズイ…今何か刺激があったら…
「つばきくん…ぼく、うれしぃ…」
っ…!!この…っ
「もう我慢出来ん…動くぞ…っ…」
「っは、あああぁ!」
ガリッと肩口に痛みを感じて我に返った。
「っ…すまない…桜…っ」
「いぇ…大丈夫です…」
まだどちらも終わっていない。桜は分かるが、よくもっているな、俺。…先ほどの痛みは、桜が思わずやってしまったようだ。かなり思い切り噛み付いたようで、唇に少し血が付いている。
「俺は、そろそろなんだが…」
「あ、ぼくも、です…」
「…これで、終わりにするぞ?」
「は、い…」
今度は、肩も背中も痛まなかった。
最初のコメントを投稿しよう!