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side 春川桜
次の日、僕は時間割りを見て愕然としました。
…体育を忘れていたんです。
椿輝君が本当に優しくしてくれたおかげで体にダメージはありませんでした。しかし今、体中に椿輝君が付けた赤い痕があります。
「体育は休みたく無いんですが…」
「ん?春川どうした?」
「あ!美上君!ちょっと相談が!」
「?」
急いでトイレへと向かい、首もとの痕やお腹の痕などを相談する。
「あー…副会長、かなりあれだな。独占欲強すぎ。まあ…お腹の方は何とかなるだろ。一番問題なのが、首もとの痕だ。」
「ここ…体操服じゃ隠れませんよね…」
「あぁ…どうする?今は冬だから、虫さされも無理だぞ?…あ。いっその事見せびらかすか。」
「えぇ!?そんな恥ずかしい!」
「たぶん、堂々としてる方が奈良にも言われない。言われたとしても、それがどうした?って態度なら何も言えないだろ。」
「な、なるほど…」
確かに一理あります。
「…そうですね。もう諦めます。僕は椿輝君のものって証ですから、あって欲しいですし。」
相談にのってくれてありがとうございます。と美上君に笑うと、美上君は驚いた顔をした。
「どうしました?」
「いや…今、春川の色気がハンパなくて…」
「…色気?」
「何でもない!ほら、授業始まるから行くぞ!」
「あ、はい!」
美上君と僕は、急いで教室へ向かった。
「は、春川!?」
「どうしました?美月君。」
「首もとの痕って副会長!?」
「はい。…嬉しいですよね。僕が椿輝君のものって証拠です。」
美月君に早速バレましたが、素直に笑うと美月君は少し後ずさった。
「…美月君?」
「…ヤバイ…もしかしたら昨日の夜とかが初めてだったりして…昨日と今日の色気の違いが…いや…人間って一晩でここまで変わるものなのか?…きっとこれは春川の元からの色気が最大限発揮され…ぐっ…妄想が止まらない…」
美月君は鼻から大量に流れ落ちる赤い液体をティッシュで拭きながら、僕を凝視しています。
「…美上君…」
「…うん…これは…」
「「無視(しましょう)。」」
僕は後ろからの視線に耐えながら、バスケットボールをがんばりました。…いつもより、さらに体が動かしにくかったんですが。
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